皆様方におかれましては益々御健勝のこととお慶び申し上げます。また、日頃の「エネルギーのいまを考える会」に対するご支援に深謝申し上げます。

　今から１２年前の東日本大震災とそれに続く東京電力福島第一原発事故は、原発の爆発や炉心溶融（メルトダウン）などを起こし、日本の原子力史上最悪の原発事故となりました。

　それまで「安全」だとされていた原発が相次いで爆発したときのあの衝撃を、私たちは決して忘れないでしょう。「５重の壁」で閉じ込められていたはずの放射性物質は環境中に広く拡散しました。原発事故は多くの人たちの人生を一変させました。避難を強いられ、ふるさとや生業を失った人も多く、今なお、少なくとも２万７千人以上の人たちが避難を継続しています。住宅提供をはじめ公的な支援はすでに打ち切られ、避難者の中には家賃の支払いに苦しみ、孤独の中に取り残される人もいます。

　いま、私たちは、温室効果ガスによる地球温暖化が要因と考えられる自然災害にさらされ、原子力発電により発生する高レベル放射性廃棄物の最終処分などの課題を抱えています。世界中が脱炭素社会を実現することを目標に掲げていますが、過酷事故を起こす原子力発電がその答えとなるのでしょうか？

　事故の被害は「風評被害」のみで片づけられるものではありません。また、「風評加害」という表現を目にすることもありますが、放射性物質の拡散に警鐘を鳴らす人々をあたかも加害者のようにレッテル貼りをすることは、健全な言論空間をゆがめ、人々を分断することにつながります。

　原発はグリーンでもクリーンでもありません。ウランの採掘から燃料加工、原発の運転、核廃棄物の処分、廃炉に至るまで、環境を放射性物質で汚染し続けます。すべてのいのちの源である大地と海を汚すということは、私たち自身を汚すことになるのです。また、原発を運転することは、何万年も管理が必要な高レベル放射性廃棄物を大量に作り出し、将来世代に大きな負の遺産を残すことになります。

　今後も私たちは、エネルギーや環境問題、人権について学び、「自らの問題として捉え、考え、行動する人の輪」の拡大につながる活動をつづけていきます。

【お知らせ】

●8月28日(月) 午前7時30分～午前8時　大和八木駅北口でアピール行動をいたします。※雨天中止

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